摂食障害治療の行動療法を具体的に言うと、まず食事を少ない量を三食に分けてきちんと全て食べられるように練習。
この時、行動範囲はベッドの上での読書や、短時間病室から出られる程度に制限されます。
テレビや面会、外部との連絡等も禁止されます。
少しずつ、目標を上げて行き、決められた量の食事をきちんと食べられるようになり、体重が一応の目標まで増えたら、食事の量や行動範囲も徐々に広げられて行くという飴と鞭のような治療プログラムです。
この治療法は強制力と、きちんとしたサポート体制が必要な治療法なので、主に入院治療で行われます。
摂食障害では、入院治療が効果的な場合が多々あります。
拒食症
拒食症で、体重が著しく低下し、体調不良、意識障害、低血糖、歩行が困難な程の衰弱などが見られる場合は、入院治療が必要です。
また、排出型で嘔吐がひどく、重度の電解質異常がある時、うつ状態がひどい時、自傷行為がある時も入院治療が必要ですが、軽度の拒食症で本人が治療に積極的な場合は、通院治療でも改善させて行けるようです。
過食症
過食症の場合は、拒食症よりは餓死などの身体的危険は少ないし、患者さん本人も治したいという思いが強く、治療に積極的な場合が多いので基本的には通院治療が可能です。
しかし、あまりにも過食がひどく自分では全くコントロール出来ない状態に陥ってしまっている時には、入院して食事を管理して貰い、一旦その悪循環から抜け出す事が効果的な場合もあります。
過食症でも、嘔吐や下剤乱用がひどく重度の電解質異常がある時、うつ状態や自傷行為がひどい場合は入院治療となります。
電解質異常とは、嘔吐や下剤乱用で、体内に必要なカリウムやナトリウムが失われてしまい、痙攣や体の衰弱、動機や不整脈を引き起こし、重度の場合は心不全を起こす場合もあるという怖い症状の事です。